手足のしびれが起こる原因
脊髄の病気
- 頚椎症性脊髄症
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 脊髄の腫瘍
- 急性硬膜下血腫
- 視神経脊髄炎
- 脊髄空洞症(アーノルド・キアリ奇形)
- 転移性脊髄圧迫(肺がん・乳がん・胃がん・前立腺がん・腎がん・大腸がんなどの既往がある方)
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
など
脊髄神経の病気
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰部脊柱管狭窄症の馬尾型・神経根型
- 頚椎症性神経根症
- 脊髄の腫瘍
など
末梢神経の病気
- 肋間神経痛
- 手根管症候群
- 足根管症候群
- 胸郭出口症候群
- 変形性頚椎症
- 肘部管症候群
- ハネムーン症候群
- 梨状筋症候群
- モートン病
など
しびれとは
人間は、「触れる」「熱い」「痛い」といった感覚を、体と脳が繋がる感覚神経のおかげで感じることができます。皮膚の細い神経終末や感覚器が刺激を受けると、それが神経に伝わり、脊髄神経から脊髄へ通り、脳に届きます。
しかし、感覚神経に問題があると、その刺激がしびれとして感じてしまいます。例えば、肘の内側をぶつけた時、薬指と小指がしびれた経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは、肘の内側にある尺骨神経に、薬指と小指の感覚神経が走っていることで起こります。薬指と小指の皮膚には何も異常がないのに、脳は薬指と小指の皮膚に問題があると感じてしまうのです。
椎間板ヘルニアのように、神経が圧迫された場合もしびれが起こります。椎間板ヘルニアだけでなく、腫瘍や骨の変形、骨棘(こつきょく)、血管、骨なども圧迫が起こる原因になります。炎症や感染症、怪我などでもしびれることがあります。しびれを治すには、神経の状態を調べて、適切な治療をすることが必要です。
神経痛とは
神経痛は、感覚神経に異常が生じることで、強い痛みを感じる状態です。痛みの度合いは強く、日常生活や社会生活、精神状態にも影響を及ぼします。神経痛は色々な神経で起こりますが、よくあるのは三叉神経痛、後頭神経痛、坐骨神経痛です。
三叉神経痛は、顔の感覚を司る三叉神経の興奮によって起こる神経痛です。顔の一部が痛みます。発症すると、顔を洗ったり食べ物を噛んだりした時に、頬や顎にひどい痛みが起こります。それによって、硬い食べ物が食べられなくなる方もいます。虫歯や知覚過敏のような痛みが、洗顔・歯磨き・食事する時に発生するため、普段の生活に悪影響を及ぼします。
三叉神経痛と虫歯による痛みを見分ける方法ですが、虫歯や知覚過敏の場合は、特定の部位が鋭く痛むのを特徴とします。一方で、三叉神経痛の場合は、顔面の片側の一部が鋭く痛くなります。また虫歯の痛みは、神経の終末部分で起こる炎症が原因ですが、三叉神経痛は、脳幹から出る三叉神経の始まりのところを、血管などによって圧迫されることで起こります。
治療法は、三叉神経の働きを抑える薬(カルバマゼピンなど)を飲む方法と、圧迫している血管を三叉神経から離す手術(微小血管減圧術)が行われます。年をとって手術ができない場合には、放射線治療(ガンマナイフ)も考慮します。
後頭神経痛は、第2・第3頚髄神経、もしくはその末梢神経、坐骨神経痛は、第4・第5腰髄神経や坐骨神経に異常が起こります。神経痛もしびれも、痛みの原因になっている神経のどこで異常が起こっているのかを検査で調べて、それに合わせた治療をすることが大切です。
当院の診断・治療方針
- 当院では、脳や脊髄・神経の病気を見つけるために、問診や神経のチェックに加えてMRI検査で原因を探っていきます。MRIは放射線や造影剤を使わないので、安全でかつ、脳や血管、脊髄の状態がはっきり確認できます。CT検査では異常がないと言われた方でも、MRIで原因が分かることがあります。
- 病気の原因や症状に合ったお薬を処方して治していきます。場合によっては、リハビリテーションや物理療法も追加します。手術が必要だと判断した際は、すぐに他の医療機関へご紹介します。患者様が希望する病院へ紹介することも可能です。
- 脳に腫瘍や動脈瘤ができた場合でも、すぐに手術をしない方がいい場合があります。その場合は当院で様子を観察しながら、患者様の容態をしっかり見ていきます。
- 当院では、患者様の症状や状態に合わせて治療を提案し、病気の回復を応援しています。脳卒中による麻痺や高次脳機能障害、認知症やめまい、片頭痛、腰痛など、脳や脊椎脊髄の病気は、色々な症状や後遺症を起こすことが多く、根治させるのも難しいです。そのため当院は、治すことに特化する医療機関ではなく、患者様が安心できる病院でありたいと思っています。
- お薬を用いた発症・再発の予防治療や、生活習慣に関するアドバイス、心と体のケア・リハビリテーション、ご家族や社会復帰へのサポートなど、患者様の生活に関することは何でも相談に乗ります。お気軽にご連絡ください。