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緑内障

緑内障とは

見えづらい

網膜で受け取った光の情報は、脳へ届けられます。視覚情報を伝える役割は、網膜にある視神経が担っています。しかし、その視神経細胞と軸索である神経線維が脱落することで視野が少しずつ欠けてしまいます。これが緑内障です。
視神経細胞や神経線維の脱落は、元に戻すことは難しく、そのため緑内障が進む前に治療をして、視野や視力を守らなくてはなりませんが、気づかないまま進んでしまい、末期の後半になってから視力が下がって、受診される方も少なくありません。
緑内障がひどくなると失明する恐れもありますが、早く見つけて治療を続ければ失明は予防できます。
近年では高齢者と近視の方が増えているので、緑内障の患者数もさらに増えるのではないかと考えられています。緑内障は、「お年寄りがかかる病気」だと思われがちですが、実は40歳から発症しやすくなります。特に近視が強い程、緑内障のリスクも高くなります。40歳を過ぎたら、症状がなくても、定期的に目の検査をしましょう。

緑内障のリスクが高くなる生活習慣

目の血流を低下させる生活習慣をしていると眼圧が高くなり、緑内障の発症・進行リスクを上げてしまいます。
以下のような生活習慣を送っていないか、チェックしてみましょう。

枕が高い

枕が高いと目や脳が心臓より高くなりますので、血液が十分に届きにくくなります。血流が不足すると眼圧が高くなります。

うつ伏せ寝

うつ伏せ寝をすると眼球に圧力がかかります。眼球が圧迫されると眼圧が高くなり、視神経にストレスがかかります。

睡眠時無呼吸症候群

就寝中に呼吸が止まったり、減ったりする病気です。呼吸が悪くなると目や脳に酸素が十分に届きません。酸素不足は眼圧を高め、視神経にダメージを与えます。
さらに、睡眠時無呼吸症候群は他の重大な疾患のリスクも高めますので、いびきや無呼吸がひどい場合は、呼吸器の専門医に相談しましょう。

下を向く姿勢をとり続ける

下を向く姿勢をとり続ける
スマートフォンやパソコンの使用などで、下を向く姿勢を長く続けると、首や頭の血流が悪くなります。血流が悪くなると目にも血液が十分に届かず、眼圧が上がります。

喫煙

喫煙は血管を収縮させて、血流を悪化させます。血流が悪くなると眼圧が上がります。さらに、喫煙は活性酸素を発生させて、目の細胞を傷つけることが分かっています。

緑内障の原因・種類

緑内障の原因は、未だに解明されていません。加齢や眼圧の高さ、高血圧、低血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、片頭痛、強度の近視などがあると、緑内障になりやすいと言われています。他にもご家族に緑内障の方がいたり、目に怪我や炎症があったり、お薬の影響で起こることもあります。

開放隅角緑内障(かいほうぐうかくりょくないしょう)

房水が出る部分は十分に広いのにもかかわらず、繊維柱帯(フィルターの働きをしている部分)が詰まり、眼圧が高くなる緑内障です。病気が進んでも気づきにくく、早く見つけるのも難しいとされています。日本の緑内障の85%を占め、のちに述べる「正常眼圧緑内障」もタイプとしてはこの開放隅角緑内障になります。

閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)

房水の出るところが狭くなる(狭隅角)緑内障です。解放隅角緑内障に比べると症状が出やすく、目の痛みや視界のかすみ、頭痛などの症状が起こります。このタイプの緑内障は、発作が起きてしまったら早く処置をしないと、見えなくなってしまう可能性も高いので、症状が出た場合には早急に救急外来を受診し、処置を受けることが大切です。

急性閉塞隅角症・急性閉塞隅角緑内障

昔は「緑内障発作」と言われていた病態です。房水の出口が塞がって排出ができなくなり、それによって眼圧が一気に上がっている状態です。急に目に激痛が走ったり、頭痛や吐き気が出たりします。速やかに適切な治療をしないと、数日のうちに目が見えなくなる恐れもあります。脳卒中と同じ症状が起こるので、救急車で脳神経外科に運ばれてしまうケースもあります。目の充血や角膜の濁り、中等度散瞳、瞳孔の大きさに差が出る、対光反射の消失などの所見が見られます。

正常眼圧緑内障

開放隅角緑内障の一種で、眼圧が正常でも視神経が傷ついてしまう病気です。日本人は8〜20mmHgが正常眼圧だと言われていますが、実際の日本人の眼圧の中央値は14mmHg前後です。日本国内の緑内障患者の70%はこのタイプで、他国と比べても日本人の正常眼圧緑内障の割合は多いとされています。
眼圧が正常内でも、眼圧をより下げる治療で進行が防げることが分かっています。

続発緑内障

目の怪我や炎症、角膜疾患、網膜剥離、糖尿病などの全身疾患、ステロイド薬の長期使用(点眼薬・内服薬・塗り薬)などによって起こる緑内障です。
眼圧が上がったり下がったりすることがよくあるので、定期的に目の検査を受けることが大切です。特に糖尿病の方は、眼圧や眼底の検査をこまめに受けましょう。

小児緑内障(発達緑内障)

小児緑内障(発達緑内障)

隅角の異常が原因で、生まれつき、または乳幼児の時に眼圧が高くなる緑内障です。 視力を発達させて重篤な視力障害を防ぐためには、早くから眼科の専門医に診てもらうことが必要です。

緑内障検査

緑内障の種類や進行具合を知り、治療を始めるには、色々な検査が必要です。検査は主に、眼圧検査をはじめ、隅角検査、眼底写真、光干渉断層計、視野検査などが行われます。
必要な検査を一通り受けていただいてから診断をつけるので、複数回受診していただく可能性もあります。また治療を開始してからも、検査を定期的に受けて、病気の変化を観察していきます。

緑内障の治療について

診察

緑内障の治療には、色々な種類の点眼薬が使われます。房水の量をコントロールするものから、房水の排出を促すもの、視神経の機能をサポートするもの、瞳孔を収縮させて隅角を拡げさせるものまで、幅広くご用意しています。お薬は、患者様の目の状態や生活に合わせて、一番適したものを選択していきます。お薬は1種類だけとは限らず複数のお薬を一緒に使うことも少なくはありません。
点眼薬は、医師が言った通りに使うことが大切です。点眼する時間や回数を守ると、お薬の効果が出やすくなり、副作用も少なく済みます。
点眼薬は、緑内障が悪くならないようにするためのものです。指示に従いながら長く続けて点眼し、治療をコツコツ続けていきましょう。点眼薬で改善が見られない場合は、手術やレーザー治療も検討いたします。